虫歯治療
虫歯は人のお口の中にひそんでいる細菌が作り出す酸によって引き起こされます。
お口にひそむ細菌と食べ物に含まれる糖分が歯の表面に付着するプラークと呼ばれる歯垢を作り出し、歯垢にひそんでいる虫歯菌が出した酸が歯を溶かして歯に穴を開けてしまうことが虫歯の原因です。
このページでは、虫歯とは何か、虫歯になってしまう原因についてお話をいたします。
虫歯とは何か
虫歯を引き起こす虫歯菌は主に2種類あり、1つは虫歯そのものを作り出す「ミュータンス菌」と呼ばれる細菌、もう1つはミュータンス菌が作り出した虫歯の穴をどんどん大きく深くしていってしまう「ラクトバチルス菌」と呼ばれる細菌です。
ミュータンス菌は生まれたばかりの赤ちゃんには存在していません。
しかし、お母さんやお父さん、そして他の人が食べた物を分けてもらったり、キスをしたりすることで他の人が保有しているミュータンス菌が赤ちゃんのお口の中に感染してしまうのです。
このことから、虫歯は感染症の一種であると言えます。
虫歯になってしまう原因
お口の中に感染したミュータンス菌は、ご飯やパン、麺類や砂糖などの炭水化物に含まれている糖分をエネルギー源としてお口の中で活動します。
食べ物の糖分をエネルギー源にしながら、ミュータンス菌が「プラーク」と呼ばれる、ねばねばした歯垢を作り出し、プラークが歯の表面に付着します。
付着したプラークの中にはミュータンス菌が住みつくようになり、プラークにひそむミュータンス菌が酸を出して歯を溶かしてしまうのです。
このミュータンス菌が歯を溶かす現象を「脱灰(だっかい)」と呼び、これが虫歯の始まりとなります。
虫歯の状態(C0からC4)、それぞれに対する代表的な治療法
C0
C0は歯の表面の部分が脱灰して溶け始めている状態です。
虫歯の状態ですが削る治療は行わず、歯磨きやフッ素塗布などで進行を防ぐことができます。
C1
C1は歯のエナメル質が侵される初期の虫歯で、痛みは感じません。
麻酔を使わずに表面部分の歯を削り、レジンという物質を詰めて治療を行います。
C2
C2は歯の象牙質が侵される段階の虫歯で、痛みを感じるようになります。
症状の重さによっては麻酔を使って歯を削り、インレーと呼ばれる詰め物を詰めて治療を行います。
C3
C3は歯髄と呼ばれる歯の神経まで虫歯が達してしまった状態です。
治療は神経を抜く抜髄を行い、症状が重い時には歯の根の治療である根官治療を行う場合もあります。
治療後の歯にはクラウンと呼ばれる被せ物をして処置を行います。
C4
C4は歯の根が侵され、歯の上部である歯冠が崩れてきている状態です。
治療は根官治療で対処できる場合には根官治療を行いクラウンを被せますが、根官治療で対処できない時には歯を抜く抜歯を行います。